公務員の給料は安定していない?民間との違いを調べた結果

コロナで不況の中、民間企業の給料やボーナスが下がっているニュースがよく取り上げられています。中には、閉店等の話もあります。

○○企業ではボーナス全カット。

□□はコロナ禍の影響で閉店。

飲食店の△△は収入減少により従業員を全員解雇。

今の経済は悪化したままなかなか回復の兆しは見えていません。

一方の公務員の給料やボーナスが気になる方はいませんか?

今回、

  • 民間企業の給料、ボーナス
  • 公務員の給料、ボーナス
  • 公務員の安定と言われる理由

について説明します。

気になる方は是非参考にしてください。

民間企業の給料、ボーナス

給料

国税庁長官官房企画課「令和元年分民間給与実態統計調査ー調査結果報告ー」によると、

男性の平均給料・手当::449.1万円(前年比−1.3%)

女性の平均給料・手当:252.9万円(前年比+0.4%)

全体の平均給料・手当:366.1万円(前年比-1.3%)

引用:国税庁長官官房企画課 令和元年分民間給与実態統計調査ー調査結果報告

ボーナス

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「2021年夏のボーナス見通し」によると、

民間企業:374,654円(前年比−2.3%)

となっています。

中には、ボーナスの支給減額に留まらず、ANAのように業績悪化により支給を見送る企業も出てきている状況です。

これまでの推移をみても、夏のボーナス支給月数は約1ヶ月となっています。

冬のボーナスの支給月数の推移をみても、夏のボーナスと同様約1ヶ月となっており、合計で約2ヶ月分が年間のボーナスとなります。

ただし、民間企業は企業毎で支給される額が違ってくるため、大企業では平均額を大きく上回るところもあれば、平均額を下回る企業もあります。

引用:三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「2021年夏のボーナス見通し」

公務員の給料、ボーナス

では、続いて公務員の給料やボーナスをみていきましょう。

国家公務員の給料やボーナスは、民間の支給実績をもとに人事院が勧告により決定しています。

具体的には、国家公務員の給与(4ヶ月分)と、企業規模50人以上等の条件がありますが民間企業の給与(4ヶ月分)と前年8月から当年7月までに支給されたボーナスを比較して、民間の基準との開きが出ないように見直しを行っています。

コロナ不況が続くとなれば、2021年冬、2022年夏の公務員のボーナスは下がることは必然となってきます。

給料

国家公務員の平均年収は約686万円、地方公務員で県庁職員の平均年収は約654万円、市役所職員の平均年収は約642万円となっています。

ボーナス

NHK「国家公務員 夏のボーナス支給 平均約66万1100円 9年ぶりに減少」によると、管理職を除いた平均年齢34.6歳の職員の平均支給額は0.025月分引き下げられ、

約661,100円(前年比−2.8%)

となっています。

特別職などもボーナスが支給されており、最も多いのが最高裁判所長官で約569万円、次に多かったのが衆参両院議長で約527万円とのことです。

ちなみに、内閣総理大臣と閣僚は一部返納したことにより、内閣総理大臣が約398万円、閣僚が約332万円となっています。

2020年の冬のボーナスでは、0.05月引き下げられたことで年4.45月分だったため、今回の引き下げて年の支給月数は4.425月分となります。

民間企業と比べても、

  • ボーナスは支給されなくなる心配がない
  • 民間の給与水準が下がれば同様に引き下がるが、そもそもの対象となる給与水準が高い中小企業のボーナス支給額より高くなる

とやはり恵まれていると言ってもおかしくありません。

公務員が安定と言われる理由

続いて、公務員はよく「安定している」と言われています。

仕事内容は職種等で変わってくるものの、どうしてそこまで「安定」という言葉が使われるのかお伝えします。

公務員の種類

まず、どんな種類があるかを簡単に説明します。

国家公務員

  • 国家総合職
  • 国税専門官
  • 労働基準監督官
  • 外務専門職(外交官)
  • 裁判所職員
  • 衆議院事務局/参議院事務局

細かくあげれば、職種等で細分化されますが、行政府・司法府・立法府の各国家機関で働くスペシャリストです。

地方公務員

  • 都道府県
  • 市町村
  • 政令指定都市
  • 東京特別区

地方公務員も、職種等で細分化されますが、都道府県・市区町村等で働くゼネラリストと言われています。

安定の理由

  • 休みが常に一定
  • 福利厚生が恵まれている
  • リストラがない
  • 民間企業より退職金が多い
  • 退職後の年金

休みが常に一定

週休二日制で、残業もありません(職業や職種、勤務状況にもよりますが)。基本的に、カレンダー通りの休みとなっています。

同じ公務員の友人(市役所勤務)の話では、最初の部署が多忙と言われる「生活保護受給者のケースワーカー」だったのですが、どれだけ忙しくても定時で帰ることができると言っていました。

ただ、中には残業代欲しさのためかわざと毎日20時近くまで残っている上司もいたそうですが、それを除けば定時で帰れるのは気持ち的にも楽ですよね。

また、営業職のようなノルマもないので、数字に追われることもありません。

福利厚生が恵まれている

最近、ニュースでも取り上げられた男性の育児休業取得の改正もありますが、特に、休暇制度が整っています。

1年で20日支給される有給休暇(max40日まで貯めれます)取得も取りやすく、病児休暇や介護休暇等の自分だけでなく家族のための休暇も揃っています。

有給休暇は、子供の誕生日や結婚記念日だけでなく、遊びたいからや疲れたからという理由でも問題なく取得できるのも良いですね。

また、ある地方自治体の共済組合では東京ディズニーリゾートのチケットがお得に購入できるところもあるそうです。

今は無くなりましたが、住居手当が持ち家にも支給されていた時代があったそうです。

リストラがない

民間企業では経営不振による倒産や人員削減のためのリストラもあります。

一方で、公務員は特別な事情がない限り、自分から辞めることをしなければ辞めさせられることはありません。

中には精神を病んでうつ病で辞める人もいますが、普通に働いていれば定年まで続けることができるという点も安心ですね。

民間企業より退職金が多い

定年で退職した際の、民間企業の退職金の平均が約1,500〜2,000万円と言われていますが、公務員の退職金の平均は約2,400万円と結構な開きがあります。

公務員は、手取りの収入が低めな分(年金等で約10%ぐらい控除されます)、退職時や年金が多くなっています。

民間企業で、若いうちにバリバリ働いてその評価をしてもらってどんどん収入を上げていくことを目指すか、公務員で比較的低い収入で昇進等も年功序列でゆっくり収入を上げて退職時にがっつり貰うかは一長一短で好みも分かれてくるところだと言えます。

退職後の年金が多い

平成27年度までは、公務員の年金は「基礎年金」「共済年金」の2本立てで退職後の年金額は民間企業の年金額より多いと言われてきました。

年金制度改定により、共済年金制度は厚生年金制度に統一されましたが、代わりに「退職等年金給付」が新設され、負担額は増えるものの、民間企業より年金額は多く支払われることになります。

ただ、65歳まで定年延長になる可能性が高まっているため、この兼ね合いがどうなるか気になるところでもあります。

不安な人は、iDeCoやその他収入を確保することも考えていくことも大切になってきます。

まとめ

  • 2021年夏のボーナスは民間企業と公務員共に下がっているが、前年比は民間企業が高い。
  • 公務員は多少収入が下がっても安定している

公務員は民間企業の前年の収入等をもとに支給額が決められているため、コロナ不況が続く限り今後のボーナス等は減額する傾向ですが、それでも公務員は民間企業と比べ恵まれている部分が多いです。

民間企業か公務員かを悩んでいる人にとって、それぞれメリットデメリットがあると思いますが、徐々に収入が増えていき退職金等は多い「公務員」、すぐに若いうちから頑張った成果をすぐに収入に結びつきたい人は「民間企業」だと言えます。

まずは、気になる職種や目指したい職種を見つけ、どんな仕事をするかの詳細を調べてみましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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