公務員は選挙活動をどこまでできる?ビラ配りや投票、SNSは制限される?

公務員は選挙活動を禁止されているの? アイキャッチ
この記事の著者:ひろきん
プロフィール:5年間の公務員時代に副業に取り組み、本業を大きく超える収入を得て退職。
現在は、メディア事業や情報発信をメインに活動。外部パートナーと連携した仕組み化で、労働時間がゼロに近い状態にも関わらず月収100万円を切ったことがない。経営コンサルタントとして、収益が出るサイト制作、SNS活用のコンサルティングやセミナー講師としても活躍しており、YouTuber&ブロガーでもある。また、不動産投資も行なっており、資産は1億3300万円。毎月の家賃収入だけでも200万円以上を得ている。公務員からの脱出劇と自由な生活を手に入れる秘訣を綴った「LIFE BREAK」を出版(メルマガ登録で無料購読可能)。情報発信で稼ぐ方法やこれまでのノウハウをオンラインメール講座にて配信。受講者から多数の成功者を輩出する。
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まいど、ひろきんです。

今日は公務員の選挙活動について書いています。

公務員は「政治活動」には制限がありますが、”選挙”はどうなのでしょうか。

どこまでオッケーなのか?ビラ配りやSNSなどで応援してもよいのか?

悩んでいる場合はぜひ参考にしてみてくださいね。

 

 

公務員は選挙活動を禁止されているの?

公務員は選挙活動を禁止されているの?

1.公務員の選挙活動は制限されている。

  • 国家公務員法
  • 地方公務員法
  • 人事院規則
  • 自治体によっては条例
  • 公職選挙法

等に規定があり、違反した場合は罰則や懲戒処分の対象になる可能性がある。

2.裁判官、検察官、公安委員会委員、警察官、収税官吏・徴税吏員は選挙運動が禁止

3.公務員は地位利用による選挙運動及び選挙運動類似行為が禁止

4.教育者は公私立問わず地位を利用した選挙運動は禁止

1.公務員の選挙活動は制限されている。

公務員は一定の政治的目的を持ったうえで行われる政治的行為が

  • 国家公務員法
  • 地方公務員法
  • 人事院規則
  • 自治体によっては条例

によって制限されています。

また、選挙運動に関してとなると、上の法律に加えて

  • 公職選挙法

でも制限されます。

”政治的目的”の中には「公職の選挙で、特定の候補者を支持/反対する」というものも含まれています。

そういった目的で制限されている行為を行ったり、公職選挙法違反になると、刑事罰や懲戒処分の対象になる可能性がありますよ。

ちなみに地方公務員法の場合、政治的行為の違反に対して刑事罰は決められていません。しかし、公職選挙法違反だと地方公務員でも刑事罰となる可能性があります

また、知事や副知事など地方公務員法が適用されない特別職の公務員でも公職選挙法は適用されますよ。

https://twitter.com/osBfus909hhCR1t/status/1473513678729527307

ただし、「計画的、継続的または組織的に行うものでなく、偶発的である限り、公務員の政治活動の禁止に該当しない」というケースもあります。

例えば

  • 国家公務員が
  • たまたま路上で会った友人に
  • 特定の候補者への投票を依頼する

のは許されることになりますね。

しかし、第三者から見たらそれが偶然なのかや継続していないのかなどはわからないものです。

行動には十分気を付けた方が良いでしょう。

「選挙運動」が何かは、明確には定められていない

「選挙運動とは?」と思いますよね。

法律や条例で細かく決まっている”政治的行為”に対し、”選挙運動”が何かというのは、公職選挙法に明確に定義付けされてはいません。

ただ、判例によると「特定の選挙について、特定の候補者を当選させることを目的に、投票を得るための有利な行為、直接/間接を問わず選挙人に働きかける行為」と言えます。

明確でない分、違反かどうか自分で判断すると危険ですね。

一方で、「公務員には投票する権利(選挙権)がないんじゃないの?」と思ってしまうかもしれませんが、公務員にも選挙権はありますよ。

公務員の政治活動はどこまで制限されている?有罪/無罪の判例は?

2.選挙管理委員会の委員及び職員、裁判官、検察官、公安委員会委員、警察官、収税官吏・徴税吏員は選挙運動が禁止

  1. 選挙管理委員会の委員及び職員
  2. 裁判官
  3. 検察官
  4. 会計検査官
  5. 公安委員会委員
  6. 警察官
  7. 収税官吏・徴税吏員

は「特定公務員」とされ、選挙運動が禁止です。

僕は元公務員で公安職だったのですが、警察は政治的行為に加えて選挙運動も制限が厳しいですね。取り締まる側なので当たり前ではあるのですが。

特定公務員が選挙運動をして公職選挙法違反になると、【6ヶ月以下の禁錮、または30万円以下の罰金(公職選挙法第241条)】となる可能性があります。

https://twitter.com/simanekomama/status/489565671366213632

3.公務員は地位利用による選挙運動及び選挙運動類似行為が禁止/4.教育者は公私立問わず地位を利用した選挙運動は禁止

公務員でも特定の候補者を応援しているということはあるでしょう。

選挙の投票は公務員でもできます。後援会に入ることもできます。

大事なのは

  • 地位を利用して依頼しない
  • 勧誘をしない

などですね。

地位利用

地位を利用した選挙運動は全ての公務員に禁止されています。

全ての公務員というのは、例えば

  • 現職の議員や市長
  • 非常勤の消防団員

等も含みますよ。

また、準公務員である

  • 行政執行法人、特定地方独立行政法人の役員及び職員
  • 沖縄振興開発金融公庫の役員及び職員

等もその地位を利用した選挙運動はNGです。

地位を利用するというのは、

  • 公務員→人事権、予算権、許認可権、補助金交付等の職務上の権限を利用
  • 教職員→児童、生徒、学生に対する影響力を利用

等が当てはまります。

例えば教育者が教室で社会科の科目として、生徒に特定の候補者を支持する講話をすると「公務員等の地位利用による選挙運動」に該当し、違反になります。

また、直接児童、生徒等を選挙運動に従事させることなどだけでなく、児童/生徒等を通じてその保護者に選挙運動を行うことも含まれますよ。

 

地位利用による選挙運動の禁止に違反すると【2年以下の禁錮、または30万円以下の罰金(公職選挙法第239条の2第2項)】となる可能性があります。

 

公職選挙法違反にはなりませんでしたが、こんな事件もありました。

 

公務員の選挙活動。ビラ配りは良い?禁止?

公務員の選挙活動。ビラ配りは良いの?

公務員の中で、政治に対する要求や選挙に関する内容が書かれているビラが配られているのを見たことがあるかもしれません。

これっていいの?と思いますよね。

この場合

  • 「自治体リストラ反対」、「消費税増税反対」などの要求を掲げたもの

などであれば問題ないとのことです。また

  • 「労働組合による、組合内部向けの機関紙」で直接的な投票依頼などの事前運動に当たらないものであれば選挙の記事を掲載できる
  • 告示後は、公選法第148条の適格紙(第三種郵便物などの要件が必要)であれば、選挙に関する報道評論を掲載できる

とされています。

(横浜市従業員労働組合の「地方公務員と自治体労働組合の選挙活動・政治活動の自由(2021年2月改訂)」を参照)

ただし、組合員ではない一般の人に配ったり、不特定多数の人が見られる場所にポスターなどで「政治的目的を有する文章」を掲載したりすると違反となり、処分対象になることがあります。

例えば大阪市では「職員の政治的行為の制限に関する条例 解釈・運用について」の中でこのことを明記していますよ。

選挙 ビラ

引用:大阪市

そもそも地方公務員法36条で地方公務員の政治的行為は制限されていますが、これは労働組合の政治的行為を制限するものではないという見方もあります。

しかし過去には「組合活動の一環で行った」という行為でも刑事罰となった事例(猿払事件)がありますので、注意は必要です。

また、文部科学省の「教職員等の選挙運動の禁止等について」という通知によると、

「教育公務員が個人としての立場で行うか職員団体等の活動として行うかを問わず、これらの規定に違反する行為や教育の政治的中立性を疑わしめる行為により、学校教育に対する国民の信頼を損なうことのないよう、その服務規律の確保について徹底をお願いします。」

とされています。

 

「組合活動とはいえ嫌なのに無理やり押し付けられる」というような場合は、加入していることのメリットデメリットをもう一度考え直し、場合によっては脱退なども検討してみた方が良いかもしれませんね。

公務員の労働組合!加入のメリットやデメリット、脱退方法は?

 

公務員は選挙活動でSNSを使えるの?

公務員 選挙運動 SNS

2013年、インターネットを使った選挙運動が可能になりました。

これにより、有権者はウェブサイト等(ホームページ、ブログ、ツイッターやフェイス ブック等のSNS、動画共有サービス、動画中継サイト等)を利用した選挙運動ができます。

ただし、公務員による政治活動や選挙運動の規制はSNS上であろうと変わりません

例えば人事院規則によると、国家公務員法による政治的行為の制限の中に、政治的目的をもって

  • 「公選による公職の選挙(衆議院議員、参議院議員、地方公共団体の長、地方公共団体の議会の議員)において投票するように又はしないように勧誘運動をすること」
  • 「集会その他多数の人に接し得る場所で又は拡声器、ラジオその他の手段を利用して、公に政治的目的を有する意見を述べること」
  • 「政治的目的を有する署名又は無署名の文書、図画、音盤又は形象を発行し、回覧に供し、掲示し若しくは配布し又は多数の人に対して朗読し若しくは聴取させ、あるいはこれらの用に供するために著作し又は編集すること」

等がありますよ。

また、警察官や裁判官など選挙運動が禁止されている特定公務員は、SNSでも選挙運動はできませんよ。

選挙運動などの意図はなくとも、SNSへの書き込みには注意

公務員の場合、SNSへの投稿にはよく気を付けた方が良いです。

政治的行為の制限や選挙運動の制限には違反していなくても、政治的中立性に疑惑を抱かれるような行為によって「信用失墜行為の禁止」の違反にならないようにする必要があります

信用失墜行為の禁止は地方公務員法第33条国家公務員法第99条で定められています。

匿名でやればいいじゃんと思った場合でも、過去の書き込みなどから発信者がわかったりすることもありますからね。

さらに何気ない投稿が問題に発展する原因にもなりかねません。

例えば

  • 選挙期間中に選挙の候補者と同姓同名の人を応援するような書き込みでプチ炎上

ということもあったようですよ。

 

公務員による選挙活動に関する違反や判例はある?

公務員による選挙活動に関する違反や判例はある?

佐伯市職員の公職選挙法等の違反

佐伯市長選挙を巡る公職選挙法違反の容疑で、令和3年4月23日菅隆久前副市長が逮捕、5月13日には阿部邦和前副市長も同法違反の容疑で逮捕されています。

この事件では「部下に対し、選挙に際して投票を勧誘したこと」が違反の一つになっていますね。

また、事前運動の禁止の違反などもあり、菅前副市長は罰金50万円、阿部前副市長には罰金 30万円の略式命令が出されました。

関係職員は、違法行為は行わなかったものの

選挙運動や政治的行為の制限に関する法令の知識を欠いていたこと等で信頼を損ねた

として「けん責」、「訓告」、「口頭による厳重注意」などとなっています。

新潟県糸魚川市長選で副市長(当時)が公職選挙法違反の疑いで書類送検

2021年4月の新潟県糸魚川市長選で、

  • 同市の藤田年明副市長(62)が
  • 選挙期間中
  • 幹部職員20人程度に対し
  • 現職候補の米田徹市長に投票するよう依頼していた

として市選挙管理委員会から刑事告発され、2021年11月30日、公職選挙法違反の疑いで書類送検されました。

8月13日には辞職されたようですね。

投票を依頼したとされる幹部職員のうち9人に聞き取り調査が行われ、多くの課長が「投票日近くに、市役所内で副市長から『市長選の情勢が厳しいので、頼むね』と声を掛けられた」などと証言したそうです。

藤田氏は、「選挙の情勢を伝えた上で『頼むね』と言っただけで、誰にとは言っていない」と述べたようですが、聞き取りを受けた職員のうち6人は「市長への投票を依頼されたと受け止めた」ということです。

 

 

まとめ

  • 公務員は選挙運動が制限されている
  • 特定公務員は選挙運動が全面禁止
  • 組合活動としての機関紙や規則内のSNSの利用など違反行為に当たらないこともあるが、線引きには曖昧なところもある
  • 公務員で選挙運動や政治的行為の制限の禁止に違反すると刑事罰や懲戒処分対象となる可能性がある

公務員とはいえ、法律を全部把握しているということは少ないでしょう。

もしかしたら職場の中には違反ギリギリの行為が常態化されてマヒしていたり、どこからが禁止だと知らず一歩間違って違反してしまうこともあるかもしれません。

また、公務員の独特な狭い人間関係の中で、直接的には言われなくても「これはアレを意味してるな…」とか、「命令されてはいないけどやらにゃアカンか…」ということもあるかもしれません。

しかし、違反行為をして罰を受けるのは自分、損するのは自分です。

おかしいなと思ったらすぐに承諾せず一度調べたり、しっかりと自分を持って、NOなところはNOと言えるように気を付けてくださいね。

 

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まいど、ひろきんです。

で、お前誰なん?って声が聞こえてきましたので、
ちらっと自己紹介いたします。

僕は関西生まれ関西育ちの元公務員。
不動産投資とネットビジネスで

月100万以上稼ぐことに成功して

公務員辞めました。

たいした才能も特技もない、
面倒臭がりのダメダメ人間ですが、
なんとか仕事辞められるくらいの
収入は手に入れました。

正直、やったら誰でもできると思います。

僕がどうやって仕事を辞めて月収100万
稼げるようになったか、下記の記事で公開しています。

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