
なりたい職業で常に上位にある「公務員」。
コロナの影響もあってか、景気の動向に左右されにくい「安定」が人気の理由として大きいと思います。
実際に公務員になったら、どれぐらいの収入があるのか気になる方はいませんか?
僕の公務員時代、同僚や後輩からは、
- 思っていたより給料が少なかった
- 安定はしているけど、昇級しないと収入が大きくは増えない
といったマイナスの話もありました。
各職種によって給料の差は結構ありますが、今回は、
- 国家公務員と地方公務員の収入の違い
- 公務員の諸手当
- 公務員のメリット
について説明します。
これから公務員を目指す人や収入が気になる人は、是非参考にしてください。
国家公務員

国家公務員とは、各省庁やその関連機関などの国家機関で、国の公式行事や国民全体に関わる仕事を行います。「官僚」も国家公務員です。
国家公務員に向いている人としては、
- 日本を良くしたい気持ちが強い人
- リーダーシップを取りたい人
- 転勤が苦にならない人
国家公務員の給料は、法律で定められた「俸給表」に沿って支払われます。
人事院では、国家公務員の給与等勤務条件の決定について給与勧告を行っています。
初任給や平均月収等についてみてみましょう。
初任給
- 225,840円(一般職:大卒程度)
- 232,840円(総合職:大卒程度)
※給与+諸手当の合計
平均月収
416,203円
ボーナス
令和2年12月支給平均額:約653,600円
令和3年6月支給平均額:約680,100円
俸給表
参考サイト:人事院(職員の給与)、内閣官房(国家公務員の給与)
地方公務員

地方公務員とは、都道府県や市町村等の自治体で住民を支える仕事を行います。
地方公務員に向いている人としては、
- 地域に愛着がある人
- 地域貢献したい人
- 住民と直接関わりたい人
- 転勤したくない人
国家公務員と違い、各自治体によって給料表が決められており、給料が違っています。
地方公務員を目指す場合、目指す先の自治体で給料表を調べることで細かな給料の推移がわかります。
今回は、全地方公共団体の平均データになります。
初任給
約18〜22万円
※給与+諸手当の合計
平均年収
360,949円
ボーナス
各自治体で変わってきます。参考サイトのリンクを貼っておきますので、希望の地方自治体を確認してください。
参考サイト:年収ガイド
給料表
希望の地方自治体HPを確認してください。
参考サイト:総務省
公務員の諸手当

公務員には、給与とは別に色んな種類の「諸手当」があります。
国家公務員と地方公務員で多少違いがあるので、それぞれ簡単にみていきましょう。
国家公務員の諸手当
生活補助給的手当
- 扶養手当
- 住居手当
- 通勤手当
- 単身赴任手当
地域給的手当
- 地域手当
- 広域異動手当
- 特地勤務手当
- 特地勤務手当に準ずる手当
- 寒冷地手当
職務の特殊性に基づく手当
- 俸給の特別調整額
- 管理職員特別勤務手当
- 特殊勤務手当
時間外勤務等に対して支給する手当
- 超過勤務手当
- 休日給
- 夜勤手当
- 宿日直手当
賞与等に相当する手当
- 期末手当
- 勤勉手当
その他
- 本府省業務調整手当
- 初任給調整手当
- 専門スタッフ職調整手当
- 研究員調整手当
特殊勤務手当
- 高所作業手当
- 坑内作業手当
- 爆発物取扱等作業手当
- 水上等作業手当
- 航空手当
- 死刑執行手当
- 死体処理手当
- 防疫等作業手当
- 有害物取扱手当
- 放射線取扱手当
- 異常圧力内作業手当
- 狭あい箇所内等検査作業手当
- 道路上作業手当
- 災害応急作業等手当
- 山上等作業手当
- 移動通信等作業手当
- 航空管制手当
- 夜間特殊業務手当
- 夜間看護等手当
- 用地交渉等手当
- 鑑識作業手当
- 刑務作業監督等手当
- 護衛等手当
- 犯則取締等手当
- 極地観測等手当
- 国際緊急援助等手当
- 小笠原業務手当
参考サイト:人事院
地方公務員の諸手当
生活関連手当
- 扶養手当
- 住居手当
- 単身赴任手当
- 寒冷地手当
職務関連手当
- 地域手当
- 特殊勤務手当
- 時間外(超過)勤務手当
- 休日勤務手当
- 夜間勤務手当
- 宿日直手当
- 管理職手当
- 管理職特別勤務手当
- 期末手当
- 勤勉手当
- 義務教育等教員特別手当
- 定時制通信教育手当
- 産業教育手当
- 農林漁業普及指導手当
- 災害派遣手当
人材確保手当
- 初任給調整手当
- 特地勤務手当
- へき地手当
その他の手当
- 通勤手当
- 特定任期付職員業務手当
- 任期付研究員業績手当
- 退職手当
参考サイト:公務員専門FP
公務員のメリット

- クビにならない
- ノルマがなく安定した収入がある
- 退職金が多い
- 色々な休暇がある
クビにならない
公務員は、勤務態度の問題があったり不祥事を起こす等の例外がなければ、自分から退職しない限りクビになることがありません。
民間企業では、少なからず「リストラ」の可能性がありますよね。
自分の進退が、景気の動向に左右されないというのは十分なメリットです。
ノルマがなく安定した収入がある
僕の公務員時代の友人に、民間で営業職をして公務員になった人がいました。
その友人が、「常にノルマに追われるプレッシャーがないのは凄く安心する」と言ってました。
外資系では、成果報酬型の給与体系もありますが、契約がなかなか取れない月にはかなり収入が下がります。
反対に言えば、勤務時間内にどれだけ頑張っても収入に変化がないとも言えます。
ただ、その場合は評価制度があるので、周囲から評価されれば自ずと収入も増えます。
退職金が多い
毎月の収入では、民間企業と比べてもそれほど多いことはなかったですよね。
では、退職金についてみてみましょう。
- 国家公務員:約2,140.8万円(行政職俸給表(一))
- 地方公務員:約2,165万円(一般行政職)
- 民間企業:約1,983万円
民間企業と比べて、約200万円近く多いですね。
民間企業の退職金は、中小企業だけでなく大企業も入っています。中小企業で見ると、約1,364万円なり公務員の退職金よりかなり少なくなっています。
クビにならず、退職金が多いと言うのはかなりの魅力ですね。
参考サイト:マイナビニュース(国家公務員の退職金、地方公務員の退職金、民間企業の退職金)
色々な休暇がある
公務員は、民間と比べて比較的休暇が取得しやすいと言われています。
代表的な休暇についてみてみましょう。
・年次休暇
民間でいう「有給休暇」です。
1年毎に20日取得でき、繰越を合わせると最大40日まで取得することができます。
・特別休暇
特別休暇は種類が豊富なので、詳細は下記に参考サイトでリンクを貼っておきますので参考にしてください。
色々な種類の休暇制度がありますが、男性の育児休暇も民間企業と比べて取得しやすい傾向にあります。
僕の公務員時代の友人(男性)は、子供3人おり全てで1ヶ月以上の育休を取得していました。
まとめ

- 公務員の収入は思ったより多くはないが、退職金が多く福利厚生が充実している
- 国家公務員、地方公務員ともに収入は安定している
比較的収入があり、福利厚生がしっかりしていて退職金が多いとなれば、皆が憧れるのも納得です。
でも、仕事をする上で必要となるのは、働くイメージが持てるかどうかだと思います。
せっかく倍率の高い公務員になったとしても、イメージとかけ離れた仕事だった場合、壁にぶつかったりストレスが多くなると心が折れてしまう可能性があります。
例えば、
・実力主義で、どんどん出世したい人
公務員は年功序列と言われています。どれだけ仕事ができたとしても、直ぐに出世は難しい世界です。
同じ勤務時間で、真面目に仕事をしている人と多少ゆっくり仕事をしている人もいます。
自分の頑張りを認めて欲しいと言う人にはストレスに感じてしまうかもしれません。
・たくさん稼ぎたい人
収入は安定しているとはいえ、民間の平均収入に近く、特に働き始めて最初の頃は決して多いとは言えません。部長等まで昇級しないと1,000万円以上超えることは難しい世界です。
勤務年数が少ない間、もっと稼ぎたいと思う人には厳しいと思います。
そうならないためにも、事前に仕事内容等を把握し、自分に合っているかどうか考える必要性があります。
少しイメージが違うと思えば、民間企業を選択するべきです。
夢と現実にギャップが出ないように、しっかり情報収集して充実した生活を送るイメージを持ちましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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