まいどひろきんです。
今日は公務員の定年延長についてです。
公務員の定年延長はいつからスタートする?
公務員の定年が65歳以上になるのはいつから?
公務員の定年延長がかかわってくるのは何年生まれの人から?
退職金の支払いはいつからになる?
など、公務員の定年延長に関しての疑問を調べてみましたよ。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
公務員の定年延長。改正法の施行はいつからスタートする?
- 国家公務員の定年延長は2023年度から始まる
- 2年ごとに1歳延長
- 地方公務員の定年も国家公務員の定年と同様になる
公務員の定年延長が2023年度から始まります。
定年延長を含む改正国家公務員法が2021年(令和3年)6月4日に成立し、2023年(令和5年)4月1日から施行されるんですよ。
地方公務員に関しても、国家公務員と同様になると考えられます。
それというのも、地方公務員法第28条第2項で”国の職員につき定められている定年を基準として条例で定めるものとする”とされているからです。
「国家公務員法等の一部を改正する法律」と同時に、「地方公務員法の一部を改正する法律」が2021年6月11日に交付されていますよ。
ただし、すべて細かいところまで国家公務員と同じになるとは限りません。
自治体によってはそれぞれの事情で国と同じようにするわけにはいかないこともあるからです。
自分の勤め先の改正条例などを確認してみてくださいね。
お医者さんなどは定年が70歳になる
刑務所や地方厚生局で働く医師や歯科医師は公務員です。
そういった医師や歯科医師の定年は今まで65歳だったのですが、それも引き上げとなります。
定年延長によって、医師や歯科医師の定年年齢は70歳になりますよ。
他の公務員同様、段階的に引き上げが行われます。
一 令和七年四月一日から令和九年三月三十一日まで 年齢六十七年二 令和九年四月一日から令和十一年三月三十一日まで 年齢六十八年三 令和十一年四月一日から令和十三年三月三十一日まで 年齢六十九年
改正法による定年延長以外の変更、追加事項など
この法律改正によって、定年延長と同時に
- 役職定年制(管理監督職勤務上限年齢制)
- 定年前再任用短時間勤務制
の導入なども行われます。
また、
- 60歳を超えた後のお給料はそれまでのお給料の7割水準にすること
などが盛り込まれています。
▼”国家公務員法等の一部を改正する法律の概要”
引用:内閣官房
▼”地方公務員法の一部を改正する法律の概要”
引用:総務省
2020年に廃案となった改正法案との「検察官の定年延長」においての違い
実は国家公務員の定年延長に関する事項を含む”国家公務員法改正案”は2020年に一度廃案になっているんです。
その理由は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で民間企業の雇用が苦しい中、公務員を優遇するのはおかしい、となったからです。
その中でも、関連法である「検察庁法」の改正案はいち早く見送られていたんですよ。そしてその内容は2021年に成立したものとは少し異なっていました。
見送られた検察庁法の改正案は
- 検事総長を除く検察官の定年を63歳から65歳に引き上げる
- 63歳になったら検事長・次長検事・検事正などの幹部には就けない役職定年制を導入する
- 定年を迎えても、内閣や法相が必要と認めれば、最長で3年間、そのポストにとどまれる
とするものでした。
しかし「検察の人事に政治権力が介入することを正当化し、検察の力をそぐことを意図している」などと検察OBからも非難を受け、廃案になったんです。
>今回の法改正は、検察の人事に政治権力が介入することを正当化し、政権の意に沿わない検察の動きを封じ込め、検察の力をそぐことを意図していると考えられる。
わかりやすい。
— あき (@okashiaki) May 16, 2020
2021年に成立した改正検察庁法では
- 検察官の定年は現在(2022年6月現在)の63歳から段階的に引き上げられ、2023年度に64歳、25年度に65歳となる
- 次長検事や検事長、検事正ら幹部については63歳に達した者は任用しない
というようになっています。
公務員の定年が65歳以上になるのはいつから?
- 公務員の定年が65歳になるのは令和13年から
- 実際に65歳で定年退職する人が出るのは令和14年(2032年)度から
公務員の定年が65歳になるのは令和13年(2031年)度からです。
ただし、令和13年に65歳になる予定の昭和41年度生まれの方は、令和12年度に64歳で定年退職します。つまり、令和13年に65歳で退職する人はいないことになります。
実際に65歳で退職するのは昭和42年度生まれの人が令和14年度になった時ですね。
令和13年度までは再任用制度に代わる「暫定再任用制度」が運用される
定年年齢の引き上げに伴って再任用制度は廃止される。
しかし、令和13年度までの段階的引き上げ期間においては再任用制度に代わり「暫定再任用制度」が設けられる
令和13年になる前に退職予定の場合でも、「65歳まで働きたいな」ということもあるでしょう。
年金も支給は65歳からですしね。
そんな時は、法律の改正後今までの再任用制度に代わって残る「暫定再任用制度」がありますよ。
法改正前の再任用制度同様、上限年齢65歳まで働くことができます。
それぞれの定年年齢に達した後、希望すれば65歳になるまで一年ごとの更新で、フルタイム、もしくは時短勤務で”暫定再任用職員”として勤務できます。
https://twitter.com/terakoya_asahi/status/1523551136073936896
ただし、定年は延長になり、新卒も入ってきます。タイミングや部署によっては今までよりもポジションが残っていないこともあるでしょう。そうなると、希望する時間や場所では働けない可能性も出てきます。
特に地方公務員ならば枠も少ない傾向にあるので、より一層思い通りにはいかないかもしれません。
そのあたりは頭に入れておいた方が良いでしょう。
暫定再任用については人事院規則一一―一二でも定められていますよ。
公務員の定年延長がかかわってくるのは何年生まれの人から?
- 段階的に定年が延長される中、初めて60歳を超え61歳で定年するのは昭和38年度生まれの方
- 再任用に代わる「暫定再任用制度」がかかわるのは昭和33年度~昭和41年度生まれの方
- 定年延長と共に取り入れられる「定年前再任用短時間勤務職員」や「役職定年制」がかかわるのは昭和38年度以降に生まれた方
公務員の定年延長が2023年度より段階的に始まります。
その後、2024年に初めて60歳を超えの”61歳”で定年退職となるのは「昭和38年度生まれ」の方々です。
2023年度にはすでに定年退職の年齢が61歳になっているんですが、昭和37年度生まれの方は2022年度に定年退職しているんですよね。
一方で、定年退職の年齢引き上げと同時に2023年度から2031年度まで設定される「暫定再任用制度」は2023年度から適用者が出ます。昭和33年度生まれの人が2023年度に65歳で再任用を受ける際には暫定再任用制度による再任用になるわけです。
とはいえ、今までの再任用制度と同じ内容なので影響はほぼないとは思います。
公務員の定年延長で退職金はどうなる?
当分の間は60歳になった後退職した場合、「自己都合」ではなく「定年によって」退職したときと同等の退職手当がもらえる
定年が延長になって「退職手当がどうなるのか」ということも気になるでしょう。
まず、その時々によって定められた定年の年齢まで働くと、退職手当は「定年退職」における額で、辞めた後に受け取れます。
60歳ではなくなるということですね。例えば2024年度(2025年3月31日)に61歳で退職したら、辞めた後一か月以内に退職手当が支給されます。
一方で、「定年延長にはなったけど、60歳を過ぎたら定年前に辞めたい」と思うこともあるかもしれません。
そういったことへの措置として、しばらくの間は60歳を超えて、職員の非で辞めるというわけではない場合は、定年退職したときと同じ計算で退職手当を算出してもらえます。
これらは国家公務員退職手当法にも明記されていますよ。
公務員の定年延長で民間企業や若手公務員への影響は?
来年から公務員の定年延長が始まりますが、制度完成まで「2年に1歳ずつ延長」する関係上、今後1年おきに定年退職する公務員が「0」になります。意外と知らない人も多いようですが、これは国や地方を問わず全国規模の話なので、新規採用とか色んなところに影響が出るんだろうなぁ・・・( ..)φメモメモ pic.twitter.com/DP63LsjXDa
— ichitarosan@五十路ライダー (@ichi_taro) June 6, 2022
公務員定年延長してもその分定員が増えなかったら、単にそれだけ若手が減って組織が高齢化するだけなんやで。
— すずけん (@suzuken) April 22, 2021
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公務員の定年が延長になって喜んでいる人もいるかもしれません。
一方で、個人的に考える「定年延長になったことによるデメリット」もあります。
まず、「公務員は年功序列が強い&人間関係が独特」なので、若手の”やりづらさ”が増すのでは、ということです。
また、定年延長で”60歳を超えてもいる側”としては、役職定年制によって今まで部下だった人が上司になり、お給料も減り…というのがストレスになるかもしれません。
ちなみに民間企業で役職定年制を設けているところもあります。
公務員の定年延長が決まったことで、民間企業でも定年延長を取り入れるところが増えるかもしれませんね。
役職定年制。2019年時点で約3割程度が導入している。企業のメリットは2つ。新陳代謝の向上と、人件費削減。働き手のデメリットは肩書を失うことや、給料が下がること。それに伴い、仕事のモチベーションも下がることも。 pic.twitter.com/8ogzjRZjLo
— へりお ☀︎ビジネスPEST分析 (@Helio_PEST) January 24, 2022
一応、定年延長で再雇用的なものよりはモチベが保てる、と期待されてもいます。しかし、降格してしまうのであれば、そう簡単にはいかないんじゃないかなと思います。
例えば僕は、ただでさえ人に使われるのが嫌だったんで、副収入を得て、公務員を辞められるだけの準備を整えた後に退職、起業したんです。
辞めるまでいかなくても、プライドが傷つくかもということは少しは考えておいた方がいいかもしれません。あらかじめ覚悟しておくのとそうじゃないのだと、気持ちも変わってきますからね。
ちなみに、公務員の年金や、貯金はどのくらいあったらいいのかなどもまとめて記事にしています。
よければそちらも参考に、自分の将来を考えてみてくださいね。
まとめ
- 国家公務員の定年延長を含む改正法が施行されるのは令和5(2023)年度から
- 地方公務員も国家公務員に準じた引き上げになる(特別な事情がある場合など、自治体によって若干異なる条例となる可能性はある)
- 令和5年度から2年ごとに1歳ずつ定年の年齢が引き上げられる
- 法改正後、60歳を超えて退職する人が出るのは令和6(2024)年度から。昭和38年度生まれの方々が61歳で退職になる
- 定年延長で再任用は廃止される。しかし、令和13年度までは「暫定再任用制度」として残り、令和5年度から適用となる
- 役職定年制(管理監督職勤務上限年齢制)や定年前再任用短時間勤務制の対象者が出るのは令和2から
- 定年による退職手当の支給は60歳ではなく、各年の定年年齢で退職した人がもらえる。しかししばらくは60歳を超えて自分の非じゃなく退職した場合でも定年退職と同様の計算で退職手当をもらえる
- 定年の延長と役職定年制によって上司が年下になったりお給料が減ることなどを踏まえ、いつまで働くのかということも考えてみるのもアリ
年金の受給までお給料をもらえるという安心感がある一方で、不満も出てくる可能性があるのが「定年延長」です。
65歳が定年年齢になったとしても、何歳まで働くのか、楽しく過ごすには辞めるまでに何をどんなふうに準備すればいいのかは自分次第ですよ。
ぜひこれをきっかけに、自分の幸せとそれを実現するためのプランを考えてみてくださいね!
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