公務員は漫画を描いても大丈夫?公表、兼業するときの注意点は?執筆活動は副業の中でも許可が下りやすい?

公務員 漫画 アイキャッチ

まいど、ひろきんです。

今日は公務員と漫画の執筆について調べてみましたよ。

 

公務員で漫画を描いている、これから描いてみたい、ということもあると思いますが

黙々と描いているだけではどこか満足できず

世に出したいと考えるようになるかもしれません。

それに伴い例えば

公務員の漫画の執筆活動は許される?

公務員が漫画を投稿し賞金をもらうのはあり?

公務員が漫画家を副業、兼業としてやることはできるのか?

などの悩みが出てくるかもしれません。

また、

実際に公務員をしながら漫画を書いている人や、公務員を辞めて漫画家になった人はいるか?

というのも、今後漫画の執筆とどう付き合っていくかの参考になるでしょう。

 

公務員で漫画家になりたい、または、今現在漫画を描いて投稿したりしているけど、これから公務員になるにあたってやめないといけないの?と疑問な場合などは

参考にしてみてくださいね。

 

公務員は漫画を描いて世に出してもいいのか?

公務員になってから、漫画を描いてもよいかというと、

自分で誰にも公表せずに描く場合は問題ないです。

しかし、それを何らかの形で世に出す時には注意が必要です。

それというのも、

  • 職務に支障をきたしてはいけない

からです。

また、漫画の執筆で収入を得る場合は

  • 副業の制限に抵触しないこと

が大事です。

公務員は漫画を描く時に「職務に支障をきたさない」ことが大事

国家公務員法地方公務員法では、公務員の服務として

「すべて職員は、(国民)全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない」

と定められています。

漫画を描くにしても、公務員である以上「信用失墜行為の禁止」、「守秘義務」、「職務専念の義務」という原則を守らないといけません。

公務員が漫画を描いて収入を得る場合は

また、漫画を描くことで収入を得るような場合には

  • 労働の対価となる収入を継続的に得るなど、副業になる場合には許可が必要
  • 収入がコンテストへの応募などによる”賞金”の場合は、労働の対価ではなく褒賞の意味合いが強い/継続的ではないなどの理由から受け取れる可能性がある。しかし、念のため確認するのがおすすめ

ということがあります。

また、許可を一度とっても有効期間があるケースがあるので、長く続けるという場合には許可の更新、再取得の手続きにも注意しましょう。

 

公務員が漫画を描いて世に出す場合の注意:信用失墜行為の禁止。誹謗中傷は退職後でも×

公務員の場合、漫画を描き公表するにあたって、収入を得ようが得まいが、大事なのは

  • 信用失墜行為をしてはいけない

ということです。

公務員は信用失墜行為が禁止

公務員には信用失墜行為の禁止が定められています。

職務上のことであろうと

私生活上のことであろうと

「公務員本人や職場、公務全体の信用を失うようなことはしてはいけない」

とされています。

 

売り上げなどが無く漫画を描いて公表するのが私生活上のみの場合、「趣味まで規制されるんかいな」と思うかもしれませんが

それが”趣味”、”表現活動”の範囲でも、内容や方法において公務員としての信用を失うようなことがあってはいけないんです。

例えば、

  • 差別
  • ハラスメント
  • 暴力

を肯定したり、肯定しないまでも一切否定しないというような内容は禁止や制限の範囲内になるかもしれません。

また、

  • 著作権法
  • 刑法(名誉毀損罪、侮辱罪、偽計業務妨害罪、信用棄損罪)

等、法律の違反になるような内容は公務員でなくても気を付けないといけない点となります。

二次創作での著作権法違反にも注意

過去に同人誌を数年にわたり描いていた公務員が「信用失墜行為に当たる」と懲戒処分になったことがあります。

その際の、判断基準として

期間の長さ利益を出していたことに加え

  • 二次創作が著作権法に抵触する恐れがある

ということがあったんです。

 

二次創作でも

  • 著作権者に許可を取っている
  • 家族に見せるだけ
  • 二次創作をしても良いですよと明言しているものを利用する

とかであれば著作権法に抵触しません。

一方、許可なく二次創作したものをSNSなどで公表した場合、利益が出ていなくても著作権法違反になることがあります。

 

このように、信用失墜行為をすると懲戒処分の可能性も出てきます。十分に注意してくださいね。

誹謗中傷にならないように注意

信用失墜行為で処分される例の一つとして「誹謗中傷」があります。

誹謗中傷は公務員のうちだけでなく、退職後ももちろんだめですよ。

暴露本は人気が出やすいですし、

相手が公務員や公務員候補者のことでそれが事実と証明できれれば名誉毀損罪にはならないとされています。

しかし一歩間違えると「誹謗中傷された」などと訴訟のリスクもあるので十分に注意が必要です。

 

漫画ではありませんが

  • SNSの投稿内容

が理由で公務員が処分されたという例はいくつか見ることができます。

https://twitter.com/okagesamaise/status/1018267614047436800

特定の名前を出していなくても、誹謗中傷で懲戒処分になったりしていますよ。

 

誹謗中傷は公務員として懲戒処分を受けるだけでなく、刑法違反となる可能性もあります。

例えば名誉毀損罪となった場合は3年以下の懲役または50万円以下の罰金となります。(刑法第230条)

また、刑法に違反しなくても損害賠償、出版差し止めを求められるなど民事訴訟になる可能性もありますよ。

 

ひとくちに漫画とはいっても、オリジナルの世界ではなく日常のことを綴る場合もありますよね。

その場合は言葉でも絵でも、やってはいけないことはしてはダメです。

ぜひ参考にしてみてください。

 

公務員が漫画を描いて世に出す場合の注意:守秘義務

公務員が守らなければいけないことに

  • 職務上知ることのできた秘密を漏らさないこ

というのがあります。

これは公務員を辞めてからも適用になります。

違反した場合は一年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金になる可能性があります。(国家公務員法第109条、地方公務員法第60条)

 

漫画で公務員の仕事のことを描きたい、公務員の裏側を描きたいという場合は気を付けましょう。

また、漫画を公表する上で関わる人、また、読者さんなどに公務員について聞かれることもあるかもしれませんが、

「うっかりしゃべってしもた…」などとならないように、十分に注意が必要ですよ。

https://twitter.com/sdkfz_251/status/1162643474195206145

 

僕も公務員だったのですが、公務員時代には大変なこともたくさんありました。

ここでも公務員時代のことを色々と書いています。

しかし、書く内容は「もっとこうだったら、良いサービスに繋がると思うんやけど」とか

公務員になる人、公務員の人が「知っといた方がいいんちゃうか」と思うことです。

準備だったり、疑問だったり、、辞めないためとか、しんどすぎて心を壊したりしないため、ということもありますね。

 

ただ、秘密にしないといけないことはもちろん言いません。

また、明らかにすることで少しでも公共の利益につながるかもということがあればこれからも書くかもしれませんが

守秘義務違反/違反じゃないのラインはあいまいなところもあります。

ですからあまりギリギリなところは責めないでしょうし、おすすめもしません。

 

もし漫画で公務員のことを描く場合には、秘密の漏洩に加え、名誉毀損や侮辱罪には気を付けてくださいね。

 

公務員が漫画を描いて世に出す場合の注意:職務専念の義務

公務員が漫画を描いて世に出す場合、

  • 職務専念の義務

に違反しないようにしないといけません。

当たり前ですが、公務員の仕事中に

  • 漫画を描かない
  • アップロードや出版に関することなどをしない

というのは必ず守りましょう。

また、兼業とする場合は以下のような場合には許可が下りない可能性が高くなります。

  • 漫画作成、公表のため時間をさくことによって、職務の遂行に支障をきたすおそれがあると認めるとき

  • 心身の疲労のため、職務の遂行上その能率に悪影響を与えると認められるとき

 

また、職務専念の義務の観点から、国家公務員や岡山県など一部自治体では

  • 兼業時間数は原則週8時間、1か月80時間、勤務日は3時間以下

となっています。

また、自治体によっては従事した時間などを報告する必要があります。

例)東京都 兼業許可申請/実績報告書

東京都 副業 許可 漫画

引用:東京都 職員の兼業許可等に関する事務取扱規程

 

公務員が漫画を描いて世に出す場合の注意:収入を得るとき

公務員が漫画を描いて世に出す場合、

  • 収入を得るとき

より一層注意しないといけません。

公務員が副業するには許可が必要

公務員が副業をするのには許可が必要です。

執筆活動は公務員でもできる副業として許可を取りやすいと言われていますが、

許可を取らないと、漫画でもそうでなくてもルール違反で懲戒処分を受ける可能性が出てきてしまいます。

https://twitter.com/vermil_lion_/status/1450762792353484803

自分では”趣味の範囲”と思っていても、自分で思っているだけではダメなケースがあるんですよ。

職場や外部から「売り上げを上げるのが目的やろ」と判断され処分を受けている人もいますよ。

反復性や継続性が副業かどうか判断されるポイントの一つ

公務員が漫画で収入を得る場合、趣味か営利目的かと判断するのに「反復性」や「継続性」、「計画性」などがみられることがあります。

過去にも同人誌の執筆や販売をしていた公務員が何年も続けて行っていて、常態化していることが副業と判断された要因の一つになっています。

単発であればOKな可能性が高い

国家公務員法で制限されている兼業は”「継続的又は定期的に従事する」場合のことを指す”とされています。

また、”単発的な講演や雑誌への執筆は「継続的又は定期的に従事する」ことに当てはまりません”ともなっています。

(参照:国家公務員の兼業について(概要))

 

このことから考えると、漫画であっても、単発であれば兼業にならず、報酬を得ても大丈夫となる可能性が高いと言えるでしょう。

また、コンテストでの賞金も、同じく「単発的」なものであることに加え、賞金は”労働の対価ではない”と認められ、得られる可能性があります。

 

例えばお笑いのコンテストでも、現役公務員が出場していることがあり、優勝したら賞金が出ますよね。

ちゃんと許可を取って出場しているということを公表しているグループもあります。そして賞金についても「副業禁止の規定には抵触しない」という見解を出している自治体もあります。

漫画についても、内容や状況にもよりますが、似た部分もあるでしょう。

 

ただ、考え方や判断は職場によって違うことがあります。

許可を取れば問題なかったのに、許可を得ていなかったことで懲戒になっているケースがあります。

よく確認し、必要な許可は取得するようにしましょう。

 

公務員をしながら漫画を書いている人や、公務員を辞めて漫画家になった人の事例

公務員が漫画を描いている事例はあるのか、調べてみましたよ。

「パパが育休とってみたら妻子への愛が深まった話」

都立高校の教員であるパパ頭さんという方が著者の、育児について描かれた漫画です。

 

パパ頭さんは漫画を出版するにあたり、兼業の許可申請に関わることで訴訟を起こした経緯があります。

最初、パパ頭さんは漫画の出版に関して職場からの許可が下りなかっただけでなく、不許可の理由を明らかにしてもらえなかったんですよ。

 

”不許可”でもダメな理由が明らかになっていれば、改善することも可能です。

ダメな点を改善した後で再度許可申請、ともなるのですが、それもできなかったわけですね。

 

パパ頭さんはその後訴えを提起し、最終的には許可を得、無事に出版をすることができました。

パパ頭さんの活動は、漫画の出版以外にも、副業の許可申請で悩んでいる方の参考にもなるかもしれませんね。

コミックエッセイ「リアル公務員」

現役公務員の町田智弥さんという方の著書です。

  • 全ページ漫画というわけではない
  • イラストはかたぎりともこさんが描いている

ということはありますが、一般行政職の公務員について漫画を織り交ぜて書かれたコミックエッセイです。

著者の町田智弥さんに関しては「市役所に入庁後、財団法人、県庁、中央官庁へ立て続けに出向。これまでに、都市経営、交通、環境、少子化対策など、窓口から現場まで幅広い業務を経験」という紹介がありますよ。

自身の経験ネタをまわりに話すといつもウケたことから書籍出版の運びになった、ということのようですね。

公務員を辞めて漫画家になったケースも。「わたし、公僕でがんばってました。」

こちらの著者である古林海月さんは、元公務員の方です。

 

古林海月さんは1993年から2002年まで県庁で公務員をされていました。そして退職後、その時の経験を元にこの漫画を描かれていますよ。

 

出版されたのが2011年で、現役公務員時代から少し時間が経っていることをご本人も考えたようです。

しかし、「どうしても伝えたいことがあった」、「長所短所含めて公務員についてわかってほしい」という想いから描いたと、漫画の中でも語られています。

 

ちなみに、古林海月さん”漫画家”となったのは公務員退職後ですが

漫画を描くこと自体は公務員時代も行っていたようです。

公務員時代の勤務先では22時ごろまで残業、ということもあったようですが

それでも帰宅後漫画を描いていたそうで、「本当に漫画が好きなんだ」と改めて感じていたようですよ。

 

 

公務員を続けながら漫画を描く?辞めて漫画家になる?

公務員を続けながら漫画を描くか

辞めて漫画家になるかと

悩むこともあるかもしれません。

 

僕は漫画家ではありませんが公務員を辞めたのでその経験を少し書いてみます。

僕はある目的のために公務員を辞めた。しかし、公務員時代から続けていたこともあるし、必ずしも辞めるのが正解ではないとも思う

僕は、公務員を辞めました。

公務員試験の面接で何度も落ち、それでも頑張って合格したんですが

自分の幸せは公務員をしていたら実現できないと感じたんです。

 

まずは、収入面です。

僕は、家族にもっと好きなことをさせてあげたいと思っていたんですよ。

こどもが習い事したいと言ったらやらせてあげたいし、妻が家が欲しいと言ったら買ってあげたいし…

公務員のお給料だけではそれは叶えられないと思ったんですね。

 

そこで、公務員時代から、公務員でも可能な副収入を得る方法で収入を増やしたりはしていました。

しかしそれでも足りなかったし、公務員を辞めればもっと収入を増やせるというところもまで準備ができたので、

退職という道に進みました。

 

他にも人間関係とか、効率的に進めるのが得意だったのに公務員時代にはいかせず、独立した方がうまくいくだろうというのもあったりあしました。

 

要するに…いろんな方向からみて、自分の幸せを手に入れるのにあっていたのが公務員を辞めて独立、だったんです。

もし少しでも状況が違えば、辞めてなかったかもしれません。

なので、公務員が悪いとか、公務員だったらやりたいことが全然できないとか、そうは思いません。

むしろ、勢い”だけ”で辞めようとしているなら、「準備はして、できるだけリスクは減らした方がいいかも?」と思うほどです。

 

ただ、状況はそれぞれです。

公務員と漫画を両方本気で頑張れるという状況かもしれないですし、

どうしても公務員をやっていたら自分の描きたいことが描けないということもあるでしょう。

自分にとっての幸せを自分自身で考えて、自分で決めて行動するのが大事だと思います。

 

応援しています!

 

まとめ

  • 公務員の漫画の執筆活動は許される?
    →公務員は漫画を描いても良いが、職務に支障をきたさないことが必要
     特に、世に出す場合は信用失墜行為や守秘義務にも注意
  • 公務員が漫画を投稿し賞金をもらうのはあり
    →単発であれば副業とはならず、賞金を得れる可能性は高い
     ただし、職場によって判断基準が異なることもあるので、確認するのがおすすめ
  • 公務員が漫画家を副業、兼業としてやることはできるのか?
    →公務員でも兼業の許可をもらえれば漫画の執筆を副業にできる
     執筆活動は表現の自由の面もあり、比較的許可の得やすい副業
     実際に漫画を描いて公表、出版している方もいる
     しかし、許可を取るまでに苦労した方の例もあるので、必ずしも簡単に許可を得られるとは限らない

漫画を描くというのは素晴らしいことだと思います。

漫画を描く技術もそうですし、

それで自己表現をしたり、世間に伝えたいことを伝えるというのも

誰にでもできるものではありません。

 

もしかしたら、公務員としての仕事が忙しく自分で漫画を描く時間は無くても、

漫画の描き方を教えるということならできるというケースもあるかもしれませんね。

 

可能性は色々あると思います。

ぜひ、やりたいことを実現できるように行動してみてくださいね!

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