まいど、ひろきんです。
今日は公務員の早期退職についてです。
ああ、もう公務員辞めたい、でも辞められんのよ…と思っていませんか?
僕は元公務員ですが、辞めました。
そんな僕の経験と、今の制度などをあわせてお話します。
公務員の早期退職。早期退職の定義

早期退職とは
早期退職というのは、定年を迎える前に勤め先を退職することです。
また、公務員の早期退職には
- 普通退職
- 勧奨退職
- 早期退職募集制度を利用した退職
などがあります。
ちなみに民、間企業であれば経営状況の悪化などで退職者を募集する「希望退職者募集」や「解雇」などもありますよね。
普通退職
早期退職(定年前の退職)で、自己都合や、諭旨(ゆし)免職によって退職すると「普通退職」となります。
諭旨免職は、違反行為があった場合に職場が本人に退職を勧告→話し合い→本人が受け入れ得て辞職する、という流れのものです。
公務員が悪いことをしたのに、すぐに懲戒免職!ではなく、依願退職していて「なんでやねん!」ということがあるかもしれませんが、諭旨免職の場合もあるからなんですね。
勧奨退職、早期退職募集制度
早期退職の中でも気になるのが、「早期退職することで優遇される制度がある」ということでしょう。
早期退職で優遇される制度には
- 勧奨退職
- 早期退職募集制度
があります。
勧奨退職というのは、特定の人が職場から退職を勧められて場合にそれに応じて退職することです。
一方で早期退職募集制度は、早期退職する人が広く募集され、応募するかしないかは個人の自由です。
それぞれ条件などはありますが、退職手当の計算の元となる給料月額に割り増し措置をしてもらえたりします。
国家公務員では勧奨退職制度は廃止され、早期退職募集制度に移行しました。
退職と同時に次の行き先を紹介されて、それが天下りだ癒着だなんだで騒ぎになることも多いですからね。
一方、地方公務員ではまだ勧奨制度が残っているんですよ。
▼令和元年度 地方公務員の退職状況調査

引用:総務省
幹部職員の離脱が相次ぐ徳島市役所。3月末で、課長1人、課長補佐4人が中途退職。そのうち2人は勧奨退職制度を利用しない「いきなり退職」…
— トリビューンしこく (@tribune_shikoku) April 8, 2022
公務員の場合、勧奨退職は活性化、公益法人への転職のためといった他に、病気で職務の遂行に支障がある場合などに行われます。
公務員でも病気に最も厳しいのは多分警察だと思います。
警察勤務でメンタル疾患で休職が長くなると勧奨退職になります。
本当に戻れないらしいです。
確かにメンタル疾患持ってる警察はチョット…。ってなりますもんね。それで、完全なる体育会系なので、普通に生きてた学生はよっぽどの覚悟が要る
— ルイ♂(女性によく間違われます) (@kiripapa) April 12, 2019
ちなみに僕は元公務員の元公安職ですが、メンタル面はヤバかったです…
公務員で早期退職したい!みんなはどう?理由は何?

公務員を辞めたいんだけど、「自分は甘いのか?」、「みんなは定年までいるつもりなの?」などと不安になるかもしれません。
公務員を辞めたいのはあなただけではありません。
実際に僕も辞めてます。
みんなと同じなら安心してよいというわけではありませんが、「こんなこと思うのは自分だけかも…」と悩んでいるのであれば、それは違うよということです。
内閣官房の調査結果と本音
内閣官房が国家公務員を対象に行った調査結果によると、令和元年時点で定年まで今の職場で働きたいと思っている人は60%を切っているんです。
30歳未満の人では13.1%が「数年以内に辞めたい」と回答しています。
▼令和元年度職員アンケート調査結果

引用:内閣官房
辞めたい理由としては、この調査結果では、家庭での時間を増やしたい、もっと成長したい、というものが多いという結果にはなっていますね。

引用:内閣官房
しかし、本音は
「出世したけど、人員削減により過剰な責任を負わされている」
「月3桁超えの残業を強いられている」
「いじめがある」
等で”もう無理…”ということもあります。
僕が知っている出世や残業の実状については、別の記事でも書いています。
ついでに言うと、僕は
- 家族との時間を増やしたい
- 収入が足りないから、不動産やネットビジネスでの収入を増やして家族の希望をかなえられるようにしたい
- 成長したい
- 職場の環境が悪いし、「誰かに使われること」が嫌だったので、自分で起業し自分に合ったスタイルで働くきたい
…など理由はいっぱいありました。
辞めたい理由は一つじゃないという場合も多いかもしれませんね。
後々できるだけ引きずりたくない場合、大事なのは、
「自分の中でちゃんと早期退職する理由を持つこと」
「人のせいにしないこと」
だと思います。
例えばもしメンタル的に辛くて辞めたとします。
その場合「○○がいやだったから辞めた」というのではなく、「家族を守るためには自分を守ることが必用。だから、辞める」と思えるかどうかで変わってくると思いますよ。
公務員 早期退募集職制度ってどんなの?メリットはあるの?

公務員で早期退職募集制度が適用されるのは45歳から。
国家公務員の早期退職募集制度は45歳以上が適用範囲内になります。
応募して認定されると退職金が上乗せされるのがメリットです。
- 退職金の支給率が自己都合退職に比べて上がる
- 勤続年数によっては退職金の計算のベースとなる「退職日の俸給月額」が割り増し
になります。
職場の早期退職者の募集内容によって応募できるかどうか変わる
45歳になったからと言って全員が早期退職募集制度が適用になるとは限りません。それは職場やタイミングによって募集の条件が変わってくるためです。
例えば令和2年の人事院での早期退職募集では対象者が
- 勤続年数20年以上
- 45歳以上
となっています。
一方、国土交通省では
- 本省内部部局所属
- 満50歳以上
- 退職時の俸給月額割り増しは勤続年数20年以上
の他、
- 北海道開発局
- 事務官であれば満45歳以上、技官は満55歳以上
- 退職時の俸給月額割り増しは勤続年数20年以上
など、同じ省庁内でも職場によって異なっています。
他にも警視庁のようにピンポイントで「警視庁勤務、公安職俸給表9級以上で59歳」などと指定し、募集している場合などもあります。
地方公務員の早期退職募集も、自治体によって対象者や特例などが異なります。
40代で早期退職した人はいる?
僕は30代で退職しました。実際に30代、40代で退職されている方は結構いますね。
もちろん30代であれば早期退職募集制度の適用にはなりません。
地方公務員も内定辞退が多発して、定期人事異動が成立しない。早期退職も続出、しかも30代40代の「まだ他でやり直せる」ような人が辞めていく。残ってがんばる人には、何人分もの仕事が乗っかって、つぶれる人も出てくる。
— む@肉球新党(実家の父がネトウヨ) (@kPlgxvo1gSHyEil) May 12, 2019
逆に民間企業を40代で早期退職し、その後公務員になるという人もいます。
https://twitter.com/WM94554592/status/1371049758018609159
45歳で早期退職募集制度の対象になるならそっちの方がいいのではないか?と思うかもしれませんが、その数年の間にできることが多くあると思います。
時間はお金では買えませんし、行動を早く起こした方がトータルの収入が上がる可能性もありますしね。
僕は不動産投資等をやっていたのですが、早期退職募集制度の適用まで待つよりは公務員を辞めてでも不動産投資を増やした方が結果的に収入も高くなりましたし。
45歳という年齢が早いか遅いかはケースバイケースです。
個人的には、45歳であろうと59歳であろうと、いつ次の準備を整えられるか、というのが重要だと思います。
例えば僕はそもそも辞める計算で投資ましたし、うまくいったので辞めることができました。
もし辞める計算してなくて収入が足りなかったり、うまくいってなくて家族を守れるようになるまで時間が必用だったら辞めるタイミングもずれていたかもしれません。
公務員の早期退職にはデメリットもある
公務員の早期退職にはデメリットがあるのかも気になりますよね。
公務員が早期退職する場合のデメリットは
- 安定(雇用、給料、ボーナスなど)を失うこと
- 社会的信用度が低くなること
- 手厚い福利厚生を失うこと
結婚していない人は:結婚したい職業No.1の職を離れることになること
でしょう。
これらは公務員でない人が公務員を羨ましがるポイントでもありますね。
高くはないが安定した給料やボーナスは公務員ならでは
公務員のお給料は決してべらぼうに高いわけではありません。
むしろ足りなくて辞めようと思っているかもしれません。
しかし、不景気でもとりあえずボーナスが0にはならないというのは公務員の魅力ですよ。
新型コロナウイルス感染拡大の影響でボーナスが大幅にカットになる大企業があった中で、公務員はそこまで削減されていませんからね。
社会的信用は公務員なら利用すべきもの。それが使えなくなる。
ローンを組みやすいなど、社会的信用が高いのは公務員ならではです。
僕もそれを利用して、不動産投資を拡大しましたしね。
この社会的信用が使えなくなるというのは公務員を辞める前に覚悟しておいた方がいいと思います。
できるだけ活用し、辞めるというのもアリだと思いますよ。
公務員は福利厚生が手厚い。特に子育てを考えている人は、退職前に見直してみた方がいいかも
公務員は福利厚生が手厚いです。
特に育児に関する休暇や手当などは民間企業よりも恵まれていることも多いですよ。
結婚したい職業No.1・2は公務員
結婚したい職業No.1、2は地方公務員と国家公務員です。
すでに結婚している人は関係ないですし、必ずしも公務員だからすぐに結婚できるというわけではありません。
しかし「公務員である」ということが一つのきっかけやブランドになっているのは明らかで、辞める場合はそれを手放すことにはなりますね。
雇用保険は入っていないため失業給付はもらえない。しかし退職手当がある。
ちなみに民間企業との違いという点では、公務員は雇用保険に入っていないため、失業給付はもらえないということもあります。
その代わり退職手当があります。
公務員が早期退職、その後転職する方法は?

僕は公務員を含めて6回転職しています。
公務員の後は起業したので、「公務員→民間企業で雇われる」という経験はありません。
しかし転職するときに重要と言われていることと、僕の経験から転職時に必要だと思うことがあります。
それは
- 自己分析ができること
- 弱点を受け入れられること
- 第三者の意見を受け入れられること
- 条件にこだわりすぎないこと
等です。
不要なプライドは捨て、人の意見を聞き入れ、弱点を受けとめよう
公務員になる時点で、また最初はそうでなくても公務員をずっとやっていると変なプライドができたりします。
それが40代50代になると、もう凝り固まった考えが出来上がってるかもしれませんね。しかし柔軟にならないと転職は難しいと思います。
僕も人を雇ったりしてますが、ガッチガチな頭の人ほど「困るなあ…」と思う瞬間が多いものです。
ほんとに転職したいなら、いらないプライドはポイっとすっぱりきっぱり捨てないといけません。
条件などにこだわりすぎない
転職するなら少しでもいい条件を、とか、かっこがつく仕事を、と思う気持ちもわかります。しかし、こだわりすぎないことも大切です。
失敗したくないとか、見栄もあってあれもこれもと欲張っているうちに就職のチャンスを逃すということもあります。
例えば
- 転職したら給料が上がる
- ある程度の地位が約束されている
- (今がつらい人は)転職したら状況が良くなる
- (今恵まれていることを感じ取らずに)転職先の方がもっとうまく行く、少なくとも悪くはならないんじゃないか
これらが絶対全部満たされないと転職できん!と思っている場合は考え直した方が良いです。それは甘いと思います。
給料は転職して下がることもあります。
「元公務員、使えないな」と言われる事もあるかもしれません。
公務員マインドから抜け出せず、苦しんで命を断った人もいるといいます。
「今よりもマイナスの部分があるかもしれない、けど最重要のこれはかなえられる」
とポイントを絞って転職先を探すことをお勧めしますよ。
公務員は早期退職しても後悔しない?

後悔するとわかっていたら早期退職したくないと思うかもしれません。
しかし、
- 定年まで続けて「早期退職しといたらよかった…」
- 早期退職して「もうちょい続けておけばよかった」
と後悔する可能性は同じくらいあります。
人は後悔するもの
実は、”後悔する”のは、正常なんです。
脳の仕組み的にも、より良い選択ができるように「後悔するようになっている」からです。
サイコパスか脳の異常でもない限り、まったく後悔しないというのは難しいです。
「やらなかった後悔の方が大きい」!?
人はやらなかった後悔の方が大きいといわれます。
その理由の一つとして
「経験」したことはそのうち受け入れられるものの、経験していないことは妄想していつまでもぐるぐる考えてしまうから
ということがあります。
ただ、これを聞いて「迷ってないで早期退職したほうがよいのでは」と思っている場合は、ちょっと待ってみましょう。
それというのも、悩んでいるというのは”せっかくのチャンス”だからです。それを十分に利用した方がいいです。
良いことばかり考えているケースよりも「後悔しないか」と考えられるときの方がより広くものを考えることができます。
後悔しないか考えるのはリスク回避行動でもありますからね。
また、やる=早期退職する、とも限りません。ほかの方法で自分の欲求を満たせるかもしれません。
例えば収入が少ない、公務員の狭い考え方に辟易している、成長を感じたいというのであれば、辞めなくても副業(ちゃんと規定内の)で満たされるかもしれません。
その方がリスクも低いですしね。
僕は公務員を辞めて後悔していないか
僕は今まで反省反省また反省、といった人生でしたが、公務員を辞めたことに関しては後悔してはいません。
自分の幸せに向かって突き進むには必要な選択だったからです。
僕の経験から言えるのは、進みたい方向を決めて、十分にリスクを考えて、対処できるようスケジュールを組み、行動していくのがおすすめ、ということです。
まとめ
- 早期退職は定年前に退職すること
- 公務員には勧奨退職や早期退職募集制度がある
- 勧奨退職や早期退職募集制度では退職手当の割り増しなどの優遇がある
- 30代や40代で退職する人もいる
- 公務員の早期退職にはデメリットもある
- 退職後転職するには余計なプライドは捨て、柔軟になることが大切
- 公務員を早期退職して後悔するか?→してもしなくても後悔する可能性はある。リスクをできるだけ考えて自ら決断し、行動することがおすすめ
公務員として不安も不満もたくさんあると思います。
しかし、生きていたら完全に満たされているということはないかもしれませんね。
少しでも満足するには、「自分で自分の幸せを見つけて、行動すること」だと思いますよ。
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