公務員の不祥事は多い?どんな事例がある?元公務員が原因や対策を考えてみた

公務員 不祥事 アイキャッチ

まいど、ひろきんです。

今日は公務員の不祥事についてです。

公務員の不祥事は多いのか?

公務員が起こす不祥事はどんなものがある?

原因は?

など色々調べてみましたよ。

僕の元公務員の経験も交えて書いています。

良ければ参考にしてみてくださいね。

 

公務員の不祥事。多いのか?

「公務員が不祥事を起こした」というニュースを見かけることもあるでしょう。

時に多く感じることもあると思います。

 

公務員の不祥事は多い?

公務員 不祥事

公務員が不祥事を起こした、というニュースを見て、「めちゃ多いやん」と思うこともあるかもしれません。

実際、公務員の不祥事は、”認識される数”が多いと思います。

「不祥事」がメディアで取り上げられやすいのは

  • 企業や団体が大きな不正、違法行為をしたとき
  • 公務員が良くないことをしたとき

公務員はさらに、

  • 比較的小さな不正でも大きく取り上げれることもある
  • SNSなどで拡散されることもある

不祥事って何?

まず、不祥事というのは「好ましくないもの、事」という意味がありますよ。

そしてニュースなどで一般的に言われる「不祥事」というと、

企業や団体が組織として行ったり、個人でも業務上に行った不法行為や不正行為

のことが多いです。

芸能人のように有名であれば個人的なこともありますけどね。

また、意図的なものから過失まで、幅広いものがあります。

その中でも、重大な事件、事故となり、明るみに出た場合、世の中で不祥事として認識されることになるんですね。

公務員はニュースになりがち、拡散されがち

公務員の場合、犯罪(刑事罰)がニュースになるのはもちろん、犯罪でもなく、仮に民間企業に勤めている人がやったら表に出ないような非違行為でも、ニュースになるケースがあります。

例えば、懲戒処分やそれ以下で済んでいるものでも、報道されたりしていますね。

その理由には、

  • 公務員は身近な存在
  • 公務員という職業上、より不正が行われるべきではない

という意識などがあり、

みんなの注目度が高い→メディアでも取り上げられることが多い

という流れもあるでしょう。

また、「また公務員やん!」みたいな感じで、SNSなどで拡散されやすいというのも感じますね。

そのため、世の中に不祥事として認識される件数が他の職業よりも多い傾向にある、ということが考えられます。

公務員の非違行為は表に出るもの、出ないものといろいろある…

公務員の不祥事は、

  1. 一般服務関係
  2. 公金の取り扱いに関するもの
  3. 倫理規程に違反するもの(特に、ワイロ関係)
  4. 職務遂行上の過失

などがあります。

この他、民間企業の場合には明るみにはならず不祥事とはされないような

公務外の非行、交通法規違反

でも表沙汰になり、他の不祥事と同様に処分を受ける可能性があります。

 

ワイロをもらって仕事を動かすにはある程度の地位が必要だったり、故意によるものも多いですが、

一般服務関係や公金関係の不祥事は公務員になりたての人でも起こす可能性がありますし、些細なことがきっかけというケースもあるので特に注意が必要でしょう。

 

ちなみに、公務上の”過失”には損害賠償を求められる可能性がありますが、それに対する保険などもあります。

損害賠償についての別の記事も書いていますので、よければそちらも参考にしてみてくださいね。

 

公務員の不祥事の例:一般服務関係

公務員の不祥事の例 一般服務関係

公務員の不祥事の中で”一般服務に関するもの”には、公務上の秘密を外部に流したり、信用を失うような行為がある。

公務員の不祥事で一般服務に関するもの
  • 秘密漏洩
  • 官製談合
  • 個人情報保護義務違反
  • 汚職
  • 公文書の不適正な取扱い
  • データ偽装
  • 横領・会計不正
  • 窃盗
  • 詐欺
  • セクハラ、パワハラ

 

例1)海上自衛隊1等海佐が特定秘密漏洩

海上自衛隊の1等海佐が「特定秘密」を外部に漏らしたという事が明らかになりました。

という流れになっています。

処分を受けたのは4人で、

  • (当事者)情報漏洩を行った1等海佐:懲戒免職
  • 元自衛艦隊司令部情報主任幕僚1等海佐:注意義務違反で停職5日
  • 元自衛艦隊司令官(すでに退職):指揮監督義務違反で減給2カ月(6分の1)相当
  • 元海上幕僚長(すでに退職):指揮監督義務違反戒告相当

となっています。

すでに退職した二人に関しては、処分に対する減給相当額の自主返納を要請するということです。

 

ちなみに、特定秘密というのは「特定秘密保護に関する法律」によってその内容などが定められています。

  1. 防衛
  2. 外交
  3. 特定有害活動(スパイ行為など)の防止
  4. テロ防止

の4分野・23事例の情報が対象となっています。

特定秘密 漏洩 公務員 不祥事

引用:内閣官房

例2)前橋官製談合事件

群馬県前橋市の前副市長が、官製談合防止法違反などで3度逮捕されました。

 

  • 2020年6月以降、前橋市が発注した水道管工事の指名競争入札で、市内2業者に対し、工事計5件の予定価格を事前に漏らして落札させた
  • 2022年11月4日、前副市長の戸塚良明容疑者と水道工事会社「上武工業」代表取締役の山崎正容疑者を逮捕、25日起訴
  • 2022年11月28日、前副市長の戸塚良明容疑者が再逮捕、「シノハラゼネラル」元社長の古川澄人容疑者が逮捕された
  • 2022年12月19日、前副市長の戸塚良明容疑者は3度目の逮捕、「シノハラゼネラル」元社長の古川澄人容疑者が再逮捕された
  • 前副市長は「一身上の都合」を理由に、2022年10月31日付で退職

という流れになっています。

前副市長はすでに退職しているので懲戒処分とはなりませんが、

  • 支払予定だった976万5千円の退職金について、事件を踏まえて11月8日に差し止めが決定されている
  • 退職金不支給の手続きが進められている

とのことです。

逮捕、起訴された前副市長は、前橋市の別の官製談合事件で調査委員会の委員長を行ったりもしていたんです。

「それなのに自分も談合とは…」という声が聞こえてきそうですね。

SNSやブログにも注意

  • SNSでの不適切な投稿
  • SNSでの不適切なやり取り

によって、処分を受けている人もいます。

 

公務員はSNS、ブログが全面禁止になっているわけではありません。

  • 「個人としての情報発信であり、所属団体などの公式見解ではないこと」を明確にする
  • 内容を正確なものにする
  • 誤解や混乱を招くような内容、決定前の事項に関する内容は避ける

などを注意すれば、個人名を出しても大丈夫な場合もあります。

中には匿名でやっている人もいますね。

しかし、いつどこから個人が特定されるかもわからないんです。

SNS利用者の中にはすごい観察力の高い人もいますからね。

過去には匿名で書かれていたブログが公務員のものとわかり、内容が不適切だと処分を受けた人がいます。

https://twitter.com/masa_loveHero/status/1084431085008646144

また、「公立学校教員と生徒の間で不適切なやり取りが行われていた」ということも発覚しています。

https://twitter.com/manapri1/status/1381118446998446085

中には、「不適切投稿に『いいね』をした」として訓告や厳重注意となった例もあります。

これから公務員になるという人も、内定後にSNSが原因で内定取り消し、なんてことにならないように十分気を付けてくださいね。

 

公務員の不祥事の例:公金関係

公務員の不祥事の例 公金関係

公務員の不祥事の中に、公金に関わるものがあります。

紛失や着服などがありますね。

 

着服では結構な金額になっていることも多いです。

中には1億円以上横領したという例もあるんですよ。

 

横領罪、詐欺罪、虚偽有印公文書行使罪などで逮捕される人もいますよ。

 

詐欺や横領なんてせえへん!

と思うかもしれないですが、

「今忙しいから後でやるわ」と現金を放置し行方が分からなくなったり、

「手持ちないからこれ使っちゃおう」と私的流用したことがきっかけで

返済を忘れたり、巨額になって返済ができなくなったなどということが起きています。

当事者はもちろん、監督責任者も処分を受ける可能性がありますよ。

例えば業務上横領だと、

  • 懲戒免職
  • 刑事罰においては10年以下の懲役

になる可能性が高いです。

たとえ少額でも処分対象になることもありますので、十分に注意しましょう。

 

公務員の不祥事。原因は?

公務員の不祥事には様々なものがあり、「これが原因」と決定的なことがあるというわけではありません。

しかし、僕の公務員時代の実体験や公務員の不祥事に関する調査などから、「複数の職場で、似た傾向の”原因につながっているもの”がある」と感じます。

公務員の不祥事の原因?「すぐに行動できない」

僕が公務員時代に良く感じていたのは、改善策を思いついても「すぐに行動できない」ということです。

公務員は失敗したくない人が多い

公務員は何かを変えたり新しいものを取り入れるのにものすごく慎重です。

もちろん、動かないのにはメリットもあります。それは「違うことをしたことによる失敗」の回避です。

大切な予算を使って仕事をしているので、何でもかんでも取り入れて「やっぱだめだったわ」となっていはいけないのはわかります。

しかし、どう考えてもやった方が良いことでも、見送り、先延ばしなっていることもあるんです。

 

それというのも、公務員の人事による能力評価が、どちらかというと加点方式ではなく減点方式なんです。

何もせずともお給料は変わりませんが、ミスしたりクレームを受けると評価が下がる可能性があります。

そのため、失敗したくないと思う気持ちが強くなる傾向にあるんですよ。

公務員は激務の部署もある

公務員はとにかく忙しい部署もあります。

残業、時にはサービ残業が毎日のようにある職場も存在します。

そのため、問題を先送りにすることもあるでしょう。

やり方を見直したり、ルールを変える時間が無く、今やっていることで精一杯、となっているわけです。

 

こういったことの積み重ねで、

  • 処理が遅い
  • 管理基準が甘い

などと当たり前のことがわかっていても、ルールを作ろう、変えようと動く人が少なくなりることがあるでしょう。

公務員の不祥事の原因?「任せられがち」

公務員の不祥事調査で多いのが「担当者に任せっぱなし」であったということです。

 

担当者に任せっぱなしになる背景の一つには、”異動が多い”ということがあると思います。

公務員はたいがい、3~5年で異動するんですよ。短いと2年くらいで異動する人もいます。

ですから、次の部署に言った時は自分の仕事を覚えるのに必死なわけです。

そうすると、その部署に長くいる人や、一度その仕事の担当になった人や詳しい人に特定の仕事が任されっきりになるということがあると思うんです。

そして管理が甘く、ある程度自由にできるとわかってしまった時に魔が差すと…怖いですね。

公務員の不祥事の原因?濃厚で縦社会な人間関係

公務員の不祥事の改善点としてよく「風通しの良い職場を作る」とか「もっとコミュニケーションをとる」のように、どちらかというと”人間関係が浅い”のが原因のように言われることがあるんです。

しかし実際は人間関係は狭く、濃いです。

ちょっとしたことでもすぐに噂になります。

そして、昔ながらの縦社会が根強く残っていることも多いです。

「上司が絶対。嫌われたら終わり」みたいな感じです。

ですから、もしお願い事をされた場合、多少嫌でも反発せずに飲み込むという人が多いのではと思います。

それが、変だなと感じても詮索しなかったり、不正にもつながる可能性があると思うんです。

不祥事を起こさないためには?

ここで、組織として不祥事を起こさない方法ではなく、個人的に不祥事を起こさない、巻き込まれない方法を考えてみました。

上に書いたことをしないように心がけることです。

  • すぐに行動する
  • 公務員の濃厚な人間関係に染まらない

これは、業務上のことに限らず、普段からの意識が大事だと思います。

いざという時だけとか、急にはできないんですよ。

例えば

  • 行動:あれやろうかな、と思っていることで始められていないことを始める/嫌ならその場で行動で示す
  • 人間関係:外にコミュニティを作る

なども良いと思います。

ピンと来た人はぜひやってみてください。

 

まとめ

  • 公務員の不祥事はメディアで取り上げられやすい、拡散されやすいなどのことから、認識される件数が多い
  • 公務員の不祥事には公務上の重大な秘密を漏らしたり、多額の公金を横領するなど故意で大きいものから、過失によるものまで様々
  • 過失による不祥事や、巻き込まれたりすることのないように普段から心がけることも大事

誰でも最初から不祥事を起こそうと思って公務員になっているわけではないと思います。

各団体でも不正や過失を防ぐために話し合われたり、ルールを決めたりしているところもあります。

ですが、実際には不祥事は無くなっていません。

職場や公務員全体が変わるのはもちろん大事ですが、

まずは自分ができることをやるのも大事だと思います。

一人一人が意識を変えることが全体に影響していくこともありますしね。

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