公務員 減らすべき?増やすべき?それぞれのメリットデメリットは?「減らしすぎ」という声も

公務員 減らすべき アイキャッチ

まいど、ひろきんです。

今日は「公務員を減らすべき/増やすべき」という意見について書いています。

 

公務員の削減が進んでいるのですが、本当に減らすべきなのでしょうか?

新型コロナ感染拡大がきっかけで「減らしすぎだ!」、「増やすべきだ」という意見も出ています。

公務員の増員、削減の動向と、皆さんの意見や元公務員の僕の個人的な意見をまとめてみましたよ。

 

公務員は減らすべき?増やすべき?公務員の人数はどうなのか。

公務員 減らすべき

公務員は減らすべきなのか、増やすべきなのか、難しい問題でもありますね。

公務員の人数自体は、ここ最近では少しの増加、ほぼ横ばいです。

民営化も少しずつ進んでいますが、郵政民営化の時のような大幅な変動が起こるほどではありません。

 

そのような中で、非常勤が増えています。

また、20代の割合が増えている一方、30代や40代が減っています。

▼一般職国家公務員在職状況

非常勤職員 増えている

引用:内閣官房

若手 国家公務員 増えている

引用:内閣官房

20代は増えているとはいえ、国家公務員では20代の離職者数も増えているんですよ。

公務員 自己都合退職 減らすべき

引用:内閣官房

個人的には、非常勤にしても離職にしても、せっかく入っても辞めてしまうというのが「仕事量に対して人員不足になり、新規採用が必要になる」要因にもなっているんじゃないかと思います。

公務員 減らすべき 辞職

引用:内閣官房

 

僕も元公務員なのですが、収入の少なさや非効率な仕事、職場環境が合わないと感じていましたし、30代で辞めました。

 

人数を減らすのか、増やすのかを考えるのも必要ですが、

有能な人材が増える、残りたいと思える仕組みづくり

がありそういう人の囲まれて仕事ができていればまた違った人生だったかも、と、当時を振り返ると感じます。

 

公務員の”人数”に関しては別記事でも書いています。良ければそちらも見てみてくださいね。

公務員の人数って多いの?少ないの?推移や国際比較ではどうなっている?

 

公務員を減らす目的、メリットは?

公務員を減らそうという動きがありますが、主な目的は財政の健全化です。

簡単に言うと、国や自治体の収入と支出において、悪いところを直して良好な状態にしようというわけですね。

 

赤字だったり潤っているとは言えない財政を健全化するには、歳出を抑える/歳入を増やす方法があります。

歳出を抑えるには

  • 人件費削減
  • スリム化
  • 軍事(防衛)費、公共事業費、社会保障費などの削減

歳入を増やすには

  • 消費税、所得税、法人税など税収を増やす

などの方法がありますよ。

人件費削減の方法の一つが公務員数の削減

人件費削減の方法には

  • 公務員の数を減らす
  • 公務員の給与を減らす

というものがありますね。

公務員の数を減らすには

  • 民営化、独立行政法人化
  • 組織の見直し&配置転換、IT活用による効率化などで定員削減、新規採用を減らす
  • 早期退職推進

などのやり方がありますよ。

人件費削減には公務員の給与の見直しも必要だが…

公務員の給与の削減には

  • 地域の民間賃金の的確な反映
  • 年功的な給与上昇の抑制
  • 勤務実績の給与への反映拡大

などがあります。

実際に給与が低くなっているところもあります。

しかし、公務員の給与は、国や地方公共団体間、民間の賃金の平均などを考慮し決められていて、大幅な給与引き下げとなるのはなかなかないでしょう。

安定したお給料やボーナスは公務員の魅力の一つでもありますよね。

 

また、年功序列も残っていますし、売り上げなど見えやすい基準が無い分、能力評価による給与決定も難しいところがあるようです。

 

個人的な感覚になりますが、今いる人たちがあまりに不利になるような改正は難しいだろうと思います。

法や条例を可決する議員さんは、行政の監視役でもありますが、自らも非常勤の公務員です。また、他の公務員の人たちが選挙に与える影響は少なくないですし、身近な存在である場合もあります。

なので、全体的にお給料をどんと下げるようなことは難しいのではと思います。

 

公務員にも早期退職の制度もある一方、定年の延長も行われていますしね。

定年の延長は、人手不足緩和、再教育コストの削減という面もありますが

  • 年金支給開始年齢の引き上げ(歳出削減)
  • 社会保険料収入増加(歳入増加)

にもなります。

そのため、民間にも広げていきたいんですよね。そこでまず、公務員から進めているところなのではと思います。

 

また、公務員には実質クビがありません。

これらを考えると、給与の見直しよりも人員削減によって人件費を減らすというのが現実的で、わかりやすいものでもあるのではと思いますよ。

 

公務員をなかなか減らせない理由、減らすことのデメリットは?

人件費削減には公務員数を減らす方法があり、国も地方自治体も取り組みを行っています。

しかし、最近では大幅には減っていないのが現状です。

それには様々な要因があると思いますが、

  • 高齢化に伴い、社会保障分野や保健分野でのニーズが高まる
  • 道路、河川 空海港などの社会資本や治安の維持などは、人口減少に関わらず引き続き求められる

ということもあると考えられます。

公務員を減らしてしまうと、これらのサービスをするにあたって人員不足になってしまうかもしれません。

また、社会保障、社会資本を民間に完全に任せてしまうと、”利益”が必要になり、十分なサービスが受けられなくなる可能性があります。

例えばイギリスでは水道を完全民営化したんです。

しかし、水道会社がインフラ整備よりも儲けに走って、水道料金は上がり続けるのに水道サービスの質は大幅に低下してしまったという事例がありますよ。

 

こういったことを防ぐためにも、一定の公務は必要になると思います。

 

また、「激務」で人を減らせないという部署もありますね。

仕事量が多いだけでなく、「異動が多く、まわっていない」などというのも激務を作っていると思います。

また、病んで休職する人や辞める人もいることも人手不足を生んでいます。

 

ちなみに僕は元公安職の公務員だったのですが、警察というのは人手不足になりやすい職種でもあります。

  • 基本的に事件、犯罪者に関わるのが仕事
  • 交替勤務でサビ残あり
  • 犯罪の件数が減ると、採用人数がかつかつになり、人員にゆとりが出ない
  • 違反を注意すると「税金の無駄!」とか言われる

などと言ったことが、激務や人員不足に繋がっている多と感じますね。

違反する人や、違反した際に長時間抵抗する人(その間警官はずっと対応しないといけない)がもっと減れば、警官を減らせて”税金の無駄遣い”も減らせるかもしれないんですが…難しいです。

 

みんなの声は?:公務員は減らすべき!という意見、その理由

公務員数を減らすべき、という意見は以前よりあります。

最近では緊急事態への対応力が改めて考えられたり、実際に公務員を削減したことを振り返って「減らすべきではない」という意見が増えてきました。

しかしそれでも、減らすべきという意見が無いわけではありません。

理由としては

  • 人口が減っているのだから、公務員は減らすべき
  • 非能率で余剰人員を抱え込んでいるのでは→業務効率化、人員削減を目指すべき
  • 適正配置によって余剰人員を減らし、新規採用を減らす

といったものがあります。

 

業務効率化に関しては、僕も公務員時代に本当に必要だと思っていました。

また、まずは”柔軟さ”が欲しいところかもしれません。

僕の経験では、いくら効率的なことを思いついても受け入れてもらえない環境だったんですよ。すべてではないでしょうが、それに苦しんでいる人も多いんじゃないかと思います。

 

また、能率を上げるためには、デジタル化に関しても地道な取り組みが必要であると思います。

それには、作っている公務員全体がまずデジタルをもっと得意にならないと難しいかもしれません。

例えばマイナンバーカードが普及すれば窓口の業務を減らせて、事務コストが減るということもありますよね。

普及しきれていない理由には「情報流出が怖い」とか、「面倒」という理由もありますが、「デジタルに疎い公務員がやっていることなので、不安」という意見もあるんですよ。

 

適正配置に関してはもちろん必要だと思います。

ただ実際には、異動でそれまでと全然違う担当になるのがキツイ、”頻繁な異動”で人間関係も一からになりストレスがたまる、キャリア形成が見えないなどといって休職や離職の原因にもなっています。

それで結果的に人員不足、新規採用が必要になったら意味ないですね。バランスが重要になってくるでしょう。

 

みんなの声は?:公務員は増やすべき!、減らすべきではない、という意見、その理由

国や自治体は公務員数削減を目標にしている場合も多いのですが、

  • 公務員は増やすべき
  • 公務員は減らすべきではない

という意見も結構あります。

結局人が足りなくて、非常勤を採用しているんですよね。

非常勤では対応できないこともあるので、人手不足は簡単には解消しないです。

逆に、原則正規職員が対応しないといけない仕事も非常勤に任されていたりしているものもあるんです。

毎年のように募集をかけて面接して、ということも出てきますし、効率的ではないですよね。

それであれば、しっかり正規職員を増やして対応した方が良いのでは、とも思います。

また、仕事を減らさずに公務員数だけ減らしても、激務で逆に非効率になったり、対応しきれないことが出てくるなどの問題があります。

そのため、「まずは数を減らそう」ではどこかにしわ寄せがくるかもしれないですね。

 

ただ、人口が減る中で公務員数を増やすのは難しいかもしれません。

また公務員数を削減した方が良いという意見の中にもみえる「課題」を解決していき、それでも増員が必要だと明らかになれば増員する、ということなども必要そうですね。

 

みんなの声は?:公務員数を増やすべき、減らすべき、とは違う意見

https://twitter.com/WATERMAN1996/status/1259993544179068928

公務員の数を減らす、増やすという意見がある中

  • 仕事を減らすべき
  • 議員の数や報酬を減らすべき

という意見もあります。

公務員は仕事を減らすべき?

仕事を減らすというのは、主に「無駄な仕事を減らそう」、「民間にお願いできるものはしよう」というわけですね。

民営化、外部委託などもされていますが、仕事に対するルールの違いなどから監視しきれないこともありますし、問題が発生することもあります。

また民営化してから採算があわなくて公的サービスに戻るという例もあります。そもそも、公務員の仕事には売り上げが立たないけど必要なことをやるという部分もありますからね。

いずれにしても慎重に行う必要がありますね。

議員の数や報酬を減らすべき

議員さんの数や報酬を減らすのはどうか?という意見もあります。

議員さんを減らすのにはメリットもあれば、デメリットもあります。

メリット・議員数を減らすべきという理由

  1. 経費節減になる
  2. 意見がまとめやすくなる

 

デメリット・議員数を減らすべきではないという理由

  1. 議員定数を減らす議論よりも、むしろ議員の質をいかにして高め,民意の反映をするかの議論の方が大切
  2. 全住民を代表するにふさわしい数(多様な意見)が必要である。
  3. 少数では,行政との「なれ合い」問題が起きやすくなる
  4. 議員定数を削減すれば、現職議員の強みが増し、若年層、女性の進出が難しくなる

 

減らすべきは、無駄

公務員数を減らすべき、増やすべきというと真逆な意見にも見えます。

しかし結局、両者とも「”無駄”を減らすべき」、「効率化が大事」と同じことを重要視している声がありますね。

 

わかりやすい「数」にとらわれず、順番にも注意しながら、なるべく無理のない(ひずみの出にくい)改革が必要かもしれません。

 

まとめ

  • 公務員の数は微増、ほぼ横ばい
  • 公務員を増やすべき(減らさないべき)という考え方も増えてきているが、減らすべきという意見は無くなっていない
  • 国や自治体の公務員を減らす取り組みは、主に財政の健全化が主な目的
  • 歳出を抑えるには公務員数を減らす以外にも公務員の仕事を減らす、議員数や議員報酬を減らすべきという意見がある
  • 公務員数を減らす、増やすだけでなく、まずは無駄を減らす、効率化するなどを行ってからでないと、激務になりより非効率になったり新規採用をしないといけなくなる可能性がある

公務員は何かとたたかれたり、文句を言われがちです。

しかし本来なら公務員の仕事は国民の暮らしに必要だから存在しているんです。

公務員がいないと成り立たないこともたくさんあると思います。

もちろん、どんな仕事でも改善を重ねていくのは必要で、公務員でも同じだと思います。

しかしそれにプラスして

公務員への”理不尽”な苦情や、傷つくような意見が減れば

もっとサービスの向上や人数の適性が進むかもしれませんね。

 

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